かとうぎ桜子区政レポート 2024年1月号 議会報告通号159号 【1ページ目】 12月、かとうぎ桜子事務所で「雑談の会」を行いました。今年度に入ってからの取り組みで、 今まではオンラインで実施していたのですが、今回は対面開催。 季節柄、事務所に飾るクリスマスカードを作りながらお話をしようという企画としました。 区政報告会ではまず、かとうぎから区議会での議論などを報告させていただき、 ご参加の皆さんに意見を出していただくのですが、「雑談の会」では決まったテーマはなく、 ご参加くださった方が自由にお話いただく会をめざしています。話の進行は、言語聴覚士の「ぬまさん」が担当。 午前と午後で実施しましたが、たまたま午前中の参加者は全員男性、 午後の参加者は全員女性でした。それぞれまったく違う雰囲気の会になりました。 ☆午前の部は、男性の参加者の皆さんが、「クリスマスカードを作る」というミッションを 果たすためにしっかり手を動かしながら、お話をしてくださいました。 その中で、防災に関するボランティアをしているがなかなかボランティア活動が充実しづらい という課題を話してくださる方や、災害に備えて「もしここから歩いて帰るならどういう道順が あるのか」を常に考えているといったご意見が出ました。 ☆午後の部は、ぬまさんが言語聴覚士であるため、同じ資格を持って活動する方、 福祉の仕事をしている方が中心に参加してくださり、クリスマスカードを作る間もないくらい 話に花を咲かせてくださいました。多くの方は、区外で働いているためになかなか住んでいる 地域の人とのつながりが作れていない、もっとつながりを作りたい、という問題意識をもって 参加してくだったようです。 ここでのつながりを地域活動に活かしていけるよう、これからも継続していけたらと思います。 【2、3ページ目】 区の計画素案の中から、福祉に関する計画素案を2つご紹介します 12月の区議会では、区の様々な計画の素案が示されました。列挙すると、 ・みどりの風吹くまちビジョン(区の全体の計画) ・公共施設等総合管理計画(実施計画)(区立施設の統廃合や民間委託等の計画) ・学校施設管理実施計画(中間見直し) ・第2次区立小・中学校および区立幼稚園の適正配置基本方針 ・第9期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画 ・障害者計画(一部改定)・第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画 ・地域防災計画 ・みどりの総合計画 ・国民健康保険データヘルス計画 ・食品衛生監視指導計画 ・自殺対策計画 今回の区政レポートでは、介護保険の計画と障害福祉計画について、かとうぎが気になっている点をご紹介します。 高齢者の生活を取り巻く課題 【区の計画に書かれていること】 ・特別養護老人ホーム(特養)は2025年度までの整備目標に向け整備を着実に進める。 一方で、待機の状況が改善しているため、その後は新規整備ではなく、 余剰が生じているショートステイなど既存の設備の転換などで定員数の確保を行う。 ・ショートステイは特養の定員の1割という整備基準を上回っている施設は特養への転換を認めていく。 ・有料老人ホームは要介護3以上の入居者の割合が5割半ば、区民の占める割合が約4割と低くなっていること、 特養の待機状況が改善していることから、新たな整備誘導は行なわない。サービス付き高齢者向け住宅も同様。 【質疑】 (かとうぎ)有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅とも利用率が低いのはなぜか。 (区)金額が高いことが考えられる。 (かとうぎ)コロナ禍の影響もあるだろうが散歩や買い物など自由に外に出られないとか、 実際にはそんなに支援が必要なわけではないのに高額の介護費用がかかるなどの話を利用者からは聞く。 透明性の確保が必要。また、「整備誘導は行なわない」とあるが、それで絶対できないというしくみなのか。 (区)指定は都が行うが、区に対しては事業者から事前相談を受ける。 その上で区が都に「整備誘導はしていない」という意見をいう形になる。 【区の計画に書かれていること】 ・日常生活圏域を区内4地区に分けていたが、地域包括支援センターごとの27地区へと変更し、 地域で活動している団体等へつなぐ生活支援コーディネーターを全地域包括支援センターへ配置する。 【質疑】 (かとうぎ)地域包括支援センターは現在、民間の法人に委託されているが、委託先の違いによるのか、 現場の長の判断の違いによるのか、地域の活動団体や住民との連携には温度差があるように感じられる。 ご近所の高齢者を心配して地域包括支援センターに相談したら「あとはこちらに任せてください」と 言われて話が終わったというケースも聞いた。個人情報保護との兼ね合いを模索しつつも、 高齢者の生活を地域で支えるしくみづくりに積極的に取り組んでほしい。 (区)生活支援コーディネーターは第1層を区直営(区の高齢者支援課に所属)とし、 第2層となる各地域包括支援センターを束ねる形で実施することを検討している。 各所によって温度差が出ない対応をめざす。 ・小規模多機能型、認知症対応型・地域密着型通所介護といった、 利用率の低い地域密着型のサービスについては新たな整備は行なわず普及啓発に取り組む。 (かとうぎ)これら地域密着型サービスの利用率が低いのはなぜか。 地域で小規模に実施している通所サービスは有効活用できる ようにすべき。 (区)様々なサービスがあるし、名称から内容が分かりづらいこともあるので、区民に分かり やすいサービスガイドを作成するなど、普及啓発に取り組む。 障害のある人の生活を取り巻く環境 障害福祉の計画は、基本的には国の方針に従って、医療的ケアが必要な人への支援、 強度行動障害など重度の障害のある人への支援、就労継続支援B型の工賃向上などが挙げられています。 そのため、かとうぎからは、ここに含まれていない(国の検討の中でもあまり議論の俎上にあがっていない) 課題について指摘をしました。 ・区は、三原台2丁目に新たな通いの場を作る方針を示したが、その代わりに大泉学園町福祉園は廃止の 方向で検討するとしている。それは、「医療的ケアが必要な人の通所施設は足りないが、 福祉園(障害者総合支援法上の生活介護事業)自体は区内で50名ほどの空きがあるから」としている。 しかし、制度上は※障害支援区分3以上で通える施設なのに、現在の区立福祉園は約9割が障害支援区分5以上である。 区分3、4の人が通える場の選択肢が少ないため、この充実を図るべきである。 ・生活上に多様な困難を抱える人の支援プランを作る相談支援専門員は質量ともに不足しており、 区立の地域生活支援センターが基幹相談支援センターとしていわゆる「困難ケース」の対応をしていて、 これ以上の受入れも困難と聞くこともある。民間の相談支援専門員の育成、基幹センターで受けているケースの 民間事業所への移行、基幹センターの体制充実が急務である。 ・基礎調査によると、知的障害のある人は直近では父母と暮らしたい、将来はグループホームで暮らしたいという 回答が多いが、ヘルパーを活用してのアパート暮らしなど、様々な暮らし方を体験し、イメージし、 自ら選択できるための支援が必要である。 ※障害支援区分は、介護保険における要介護認定と同様、障害福祉サービスを利用するにあたって必要な 支援の度合いを認定するもの。区分なし、1〜6まであり、数字が大きいほど支援の度合いが高い。 【4ページ目】 雑談の会を行います。 場所:かとうぎ桜子事務所(東大泉3-1-18-1階) 日時:2月18日(日) 第一部 午前10時?12時 第二部 午後1時?3時 (お好きな時間にお越しください。途中参加、途中退出もOKです!) (申し込み)https://forms.gle/EY2ZwXwznLuje2Gi9 お申し込み無しの参加ももちろん歓迎です。 1ページ目にご報告しました、「雑談の会」。今後定期開催を目指して、2月にも開催します。 ぜひご参加ください。 誰かと他愛もない話をすることでスッキリした!  そんな体験を共有する、雑談の会を開催します。 体、心、仕事、友だち、家族、パートナー、子育てなどの悩み…そんな相談するのも良し、 まだ悩みにもなっていないモヤモヤを吐き出すのも良し。コミュニケーションのリハビリ担当、 言語聴覚士の「ぬまさん」があなたのお話にゆっくり耳を傾けます。 手作業をしながらお話しましょう。(お話だけでもOK!) 2部制ですので、ご都合のつくほうにご参加ください。 【ぬまさんプロフィール】 医療・介護分野での経験15年以上の言語聴覚士の30代女性。幼児1人を育ててます。 【かとうぎ桜子プロフィール】 1980年生まれ。現在、43歳です。27歳から区議会議員になって、5期目です。 ●桐朋女子という、自由な校風の中学・高校を卒業しました。こどもの頃から猫が好きで、今も3匹の保護猫を飼っています。キジトラ、サバトラ、黒猫。 ●慶応義塾大学文学部では国文学を専攻していましたが、人間関係を調整する仕事に関心を持ち、大学4年の夏休みにホームヘルパー2級の資格を取得しました。 ●もっと深く福祉のことを知りたいと、大学卒業後に夜間の上智社会福祉専門学校に入学し、昼間はヘルパーや福祉関係の事務の仕事をしながら、2005年に社会福祉士を取得。 ●社会福祉士取得後、NPOで介護の仕事をしたのですが、制度的な課題を感じ、介護保険など制度運用の改善と地域で人の生活をささえるしくみを作りたいと、2007年の区議会議員選挙に初挑戦し、当選しました。 ●議員になってすぐ、区立保育園の民営化問題で当事者が置き去りとなって施策が進められていることに疑問を感じ、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科にて、民営化問題と市民参加について研究しました。 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。今は定期検診のみで、落ち着いていますが、 この経験を機に、女性の健康や人権についてもっと取り組んでいきたいと考えました。 ●2014年、東日本大震災で被災した地域の応援の活動で知り合った夫と結婚。 ●2017年、手話検定1級取得。 ●2018年、シェアハウスと地域の拠点「ウイズタイムハウス」を大泉学園町4丁目にオープン ●2020年、介護福祉士を取得。 ●ヘルパーや相談員の仕事も続けています。現場の実践を政策に活かすとりくみを今後も続けていきます。