かとうぎ桜子区政レポート 2022年5月号 議会報告通号144号 (1ページ目) 4月17日、練馬区長選挙と練馬区議会議員補欠選挙が行われました。 私は、区長選では吉田健一さん、区議会補欠選挙では3年前に落選して以来めげずにずっと 地道な活動をしてきたやくし辰哉さんを応援していましたが、残念ながらお2人とも 落選してしまいました。お2人とも、本当に練馬区の地域を良くしたい、社会を温かいものに したいという思いで頑張っていらしたので、その思いが報われず、とても残念です。 特に区長選は約2千票の差。あと一歩のところでした。 区長選挙では、インターネットで公開討論会が行われました。今でも録画が見られます。 30分ほどのものですので、ぜひご覧になっていただけたらと思います。 (ただし、ハラスメント被害に遭った経験のある方や暴力的なものを見ると体調が悪くなる方はご注意ください。) https://www.youtube.com/watch?v=0BCtJ3dQxcw&t=499s 現区長は、自分の主張についてはひたすら原稿に目を落として読み上げ、 目を上げれば吉田健一候補に対して「何が言いたいのか分からない」と嘲笑。 公開討論会を主催した青年会議所の人にまで威圧的な発言を繰り返しました。 これが、4千人の職員のいる大きな組織を率いるトップの姿勢でしょうか。 残念ながら政策論争以前の基本的なリーダーとしての資質に大きな疑問を感じざるを得ません。 しかし、区長選の投票率はわずか31.9%。多くの人に関心を持っていただくことができなかったのも残念です。 区政の課題についてもっと分かりやすくお伝えできるよう、私も今まで以上に工夫していきたいと思います。 (2ページ目) 「高齢期の住まいの選択肢の現状を知り、暮らし方を考えよう」 「高齢になったとき、どう生きたいか」 皆さんは、高齢になったときにどこで、どのように暮らしたいというご希望をお持ちですか?  人生の最後の時期、何を一番大切にして過ごしたいでしょうか。 例えば私だったらお酒を飲むのが好きなので、高齢になったからといって 飲酒を制限されたくないということや、できれば長く猫と一緒に暮らしたいと思っています。 高齢期の元気なうちはどこで過ごし、体調が悪くなって介護が必要になった場合はどうするか。 いざ必要になってから考えるのはしんどく、自分の意思が尊重されづらくなることも懸念されるので、 元気な時から想定していくことをお勧めします。 高齢期の選択肢は左の表に書いたように、本当に多岐にわたるものがあります。 在宅生活のように、不十分なところがあっても自由度が高いものを選ぶか、 しっかりとしたケアがあるところが良いか、ご自分が大切にするものを改めて検討してみることが、 高齢期の暮らし方を選ぶためには大切なのではないでしょうか。 今回、アンケートを実施します。ぜひ皆さんの思いをお聞かせください。 https://forms.gle/F7iAiFjjvJgQ8vS87  「養護老人ホームの活用の状況は?」 また、1月号の区政レポートで、養護老人ホームの見学に行ったことをご報告させていただきました。  養護老人ホームは介護保険制度の枠組みに入っておらず、老人福祉法のもと行政措置によって 入所が決まる施設です。「介護が必要なわけではないけれど、金銭管理や服薬管理など生活サポートが必要な人」 が入所することが可能です。しかし、施設運営の財源が自治体負担となっているため、あまり有効活用されていません。 下の表は、介護保険が始まる前年の1999年度、三位一体改革で養護老人ホームにかかる費用が自治体負担となる 前年の2004年度と、直近3年間の養護老人ホーム措置数と高齢者人口の推移を示したものです。 高齢者人口は増えていますが、養護老人ホームの入居者は減少傾向。介護保険制度が始まって、高齢者が利用できるサービスの 選択肢が増えたことも一因とは考えられますが、「介護が必要」という状態とはまた違う生活支援の必要性 (例えば高齢であるために住まいの確保ができない、若い頃家族と関わりを断っているため、戸籍など手続きが必要、など) がある場合の、大切な選択肢として養護老人ホームは重要な役割を持っています。 練馬区の高齢者人口と養護老人ホームへの年間新規措置数の推移 1999年度 高齢者人口 91779人 養護老人ホームへの年間新規措置数 25人 2004年度 高齢者人口 114441人 養護老人ホームへの年間新規措置数 15人 2019年度 高齢者人口 159751人 養護老人ホームへの年間新規措置数 26人 2020年度 高齢者人口 160733人 養護老人ホームへの年間新規措置数 20人 2021年度 高齢者人口 161408人 養護老人ホームへの年間新規措置数 13人 (3ページ目) ★アンケートご協力をお願いします。 皆さんが高齢期の生活について、どんなことをお考えになっているかをぜひお聞かせください。 かとうぎ桜子ホームページ 新着情報から入っていただくか、以下からお願いいたします。 https://forms.gle/F7iAiFjjvJgQ8vS87 ★高齢期の住まいの選択肢の例 2022年3月末現在、65歳以上人口16万2974人の中で、在宅で介護サービスを利用している人は 2万3670人(65歳以上の人の約15%)、施設入所をしている人は6325人(65歳以上の人の約4%)です。 高齢期の住まいは、主に以下のようなものが考えられます。 @在宅生活(住まいには福祉・介護制度を利用しない暮らし方) 今まで住んだ家で暮らすことができれば、一番自由度が高い。 住まいには福祉・介護制度は適用されず、介護が必要になったら、 介護保険制度の在宅サービスを活用し、家にヘルパーや看護師に来てもらったり、 デイサービスに通所してケアを受ける。家族と一緒に暮らすのか、ひとりで暮らすのか。 また制度を使って24時間365日のケアは受けられないので、不足する分はどのように対処するのかも検討が必要。 【賃貸アパート・マンション】 練馬区が2020年3月にまとめた高齢者基礎調査によれば、高齢者の約2割が賃貸住宅で暮らしている。 賃貸にお住まいの場合、老後ずっと支払い続けられる家賃か、老朽化等を理由に退去を迫られる可能性はないか、という検討が必要。 【持ち家】 高齢者基礎調査によれば、高齢者の約7割〜8割近くが持ち家で暮らしている。 持ち家の場合、施設入所時に処分するのかなどを検討する必要がある。 【グループリビング・シェアハウス・コレクティブハウス】 制度上確立されているわけではないので数は多くはないが、高齢者が支え合って暮らすグループリビングや コレクティブハウス、また私が運営しているシェアハウスなど、昔の下宿や長屋のように非血縁者が集まって 支え合う暮らし方もある。単身で老後が心配という方は、元気なうちに試してみることもお勧め。 みんなで暮らし方のルールを決める暮らし方もあるし、そうでなくても廊下に出れば住人と会う、 というように人との関係が密になるので、淋しくないが煩わしいことも…。 ※老人保健施設の活用 上記いずれの住まいの場合にも、在宅生活をしていて介護が必要になったときに、数か月程度入所して リハビリを受けたり、介護している家族が休息するために老人保健施設を活用することができる。 2022年4月現在、練馬区内には14か所あるが、施設によって、短期間での退所を推奨していたり、 骨折などの身体的なリハビリに力を入れているか、認知症ケアを専門にしているか、などの違いがあるので、 必要になったときにはケアマネジャーに相談すると良い。 Aグループホーム 区内37か所。認知症の症状があり、介護は軽度の人が少人数で暮らす場。 介護の状態が重くなると特養などに移る必要がある場合も多い。認知症の症状がなければ対象にならない。 B軽費老人ホーム・都市型軽費老人ホーム  老人福祉法に位置付けられており、介護が必要ではないが見守りのある施設。 軽費老人ホームは数が少なく、区内は1か所のみで、今後廃止予定。 面積基準などを緩和した都市型軽費老人ホームが増えており、現在区内14か所。 Cサービス付き高齢者向け住宅  区内22か所。高齢者住まい法に位置付けられ、バリアフリーなどのハード面と見守り、 生活相談などのサービスのある住まい。有料老人ホームよりは利用料金が安い場合も多いが、 どの程度までのケアを受けられるかは施設により異なるため、入居前に確認が必要。 D有料老人ホーム  区内79か所。老人福祉法に位置付けられており、介護付のものと住宅型のものがある。利用料金も大きな差がある。 E特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) 区内34か所。介護保険に位置付けられており、基本的に要介護3以上。各施設待機者が300名前後いる現状がある。 待機の順番は先着順ではなく介護の重さによって決まる。 (4ページ目) 区政報告会「高齢者の住まいについて話し合いませんか?」 日時:2022年5月22日(日)午後2時〜3時半 場所:石神井公園区民交流センター  2階・会議室2 (クイーンズ伊勢丹のある建物の2階です。) 参加費:無料、お申し込み不要 今回の報告会では、今年に入ってからの区議会 の状況などをご報告させていただくとともに、「高齢者の住まい」をテーマにお話をします。 今回の区政レポートにもご紹介した通り、高齢者が暮らす施設等の選択肢は様々ありますが、 本当に自分の望む住まいを確保するには、どんな準備をしておいたらいいでしょうか。   ご参加の皆さんは高齢期の暮らし方についてどんな思い、期待、不安をお持ちなのか、 ご意見を伺いながら、高齢者の住まいの現状と課題、展望について話し合いたい と考えています。ぜひご参加ください。 かとうぎ桜子プロフィール ●1980年生まれ。現在、42歳です。27歳から区議会議員になって、4期目です。 ●桐朋女子という、自由な校風の中学・高校を卒業しました。こどもの頃から猫が好きで、 今も3匹の保護猫を飼っています。キジトラ、サバトラ、黒猫。 ●慶応義塾大学文学部では国文学を専攻していましたが、人間関係を調整する仕事に関心を持ち、 大学4年の夏休みにホームヘルパー2級の資格を取得しました。 ●もっと深く福祉のことを知りたいと、大学卒業後に夜間の上智社会福祉専門学校に入学し、 昼間はヘルパーや福祉関係の事務の仕事をしながら、2005年に社会福祉士を取得。 ●社会福祉士取得後、NPOで介護の仕事をしたのですが、制度的な課題を感じ、 介護保険など制度運用の改善と地域で人の生活をささえるしくみを作りたいと、 2007年の区議会議員選挙に初挑戦し、当選しました。 ●議員になってすぐ、区立保育園の民営化問題で当事者が置き去りとなって 施策が進められていることに疑問を感じ、立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科にて、 民営化問題と市民参加について研究しました。 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。今は定期検診のみで、落ち着いていますが、 この経験を機に、女性の健康や人権についてもっと取り組んでいきたいと考えました。 ●2014年、東日本大震災で被災した地域の応援の活動で知り合った夫と結婚。 ●2017年、手話検定1級取得。 ●2018年、シェアハウスと地域の拠点「ウイズタイムハウス」を大泉学園町4丁目にオープン ●2019年、福祉と連携した旅行サービスとNPO等の支援活動をする「桜こみち株式会社」設立 ●2020年、介護福祉士を取得。 ●ヘルパーや相談員の仕事も続けています。現場の実践を政策に活かすとりくみを今後も続けていきます。 ●ヘルパーの活動などでご高齢の方や障害のある方にお会いする機会も多いため、 コロナの感染状況を見ながら駅での配布は休止したり再開したりしています。