かとうぎ桜子区政レポート 2022年3月号 議会報告通号143号 【1ページ目】 1月、初めての駅頭演説をした石神井公園駅前で、吉田健一さん (右の写真の左側の人は、かとうぎが今一緒に会派を組んでいる岩瀬たけしさん。) 新型コロナウイルス、オミクロン株の感染状況が深刻になったため、1月中旬からしばらく駅頭を休止していましたが、感染状況を見ながら、再開いたしました。 練馬区長選挙が4月10日告示、17日投票日となります。以前は統一地方選挙の時に区議選と区長選挙が同時に行われていたのですが、 8年前から区長選の時期がずれて単独選挙となったためか、投票率が低くなっています。(2014年は31.68%、2018年は31.38%) ぜひ、4月には投票所に足をお運びください。 今回の区長選挙は70代の現職区長も3期目に挑戦するそうですが、私は、今回初めて選挙に挑戦する決意をされた、 50代の吉田健一さんを応援したいと考えています。 吉田さんは練馬区田柄で生まれ育ち、区内のガソリンスタンド経営、幼稚園理事長などをされてこられた方です。練馬の地に恩返しをしたい、 今よりもっと良い地域にしたいという思いで今回の挑戦を決意されました。 吉田さんはガソリンスタンドを経営されてこられた中で、2011年の東日本大震災でガソリンが不足した時はいち早く、 業務に車両を要する福祉の通所施設に優先的に給油をするといった取り組みをしてくださった方でもあります。 おつれあいを病気で亡くされ、ひとり親として子育てをされてきました。そうしたご経験のためか、 社会的に弱い立場に立たされがちな方への思いも強く、1月末に立候補表明をして初めて石神井公園駅頭で演説をしたときには、 「今家にとじこもりひとりでいる人、公園で過ごさざるを得ない人に届く区政をしていきたい」と話していた姿が印象的でした。 ぜひ、新たな挑戦をする吉田健一さんの取り組みにもご注目ください。 【2ページ目】 コロナ禍における格差拡大に対応するのが基礎自治体の役割 3月の議会で、今年度最終の補正予算の審査をしました。コロナ禍で頻繁に補正予算が出されるため、今年度6回目の補正予算です。 格差が拡大し、自治体は増収 今回の補正予算では、特別区税、特別区財政調整交付金、地方消費税交付金が増収となりました。 2021年度当初予算では、コロナの影響を受けて財政は厳しいだろうと見込んでいたのですが、 今回、134億6937万の増収となりました。これは、企業収益が堅調に推移したことにより法人住民税が増収となったことが 一つの要因です。つまり、収益を上げた企業がかなりあったということなのですが、今、生活実感として景気が良い感じがするでしょうか?  むしろ、長期化するコロナ禍で先の見通しが立たず、フードバンクや炊き出しには長い列ができる、 という実態があります。コロナの影響が直撃している人と、収益を上げている人とでの格差が拡大しているといえます。  行政の財政は、毎年の収支だけではなく、将来に備えて貯金をしておくのと同じイメージである、積立基金というものがあります。 今回の増収分はこの基金に充てる部分が多かったです。 左の表Aのように、色々な種類の積立基金があるのですが、特に今回補正をした基金のご説明をすると、 ・財政調整基金  収入が減ったときや災害等への対応に充てるために、積み立てておく基金。練馬区は400億円を目標額としている。 コロナ禍で取り崩しが続いたので、今回の増収で取り崩しを減らして400億を維持できるようにした。 ・減債基金  債務の返済を見込んで毎年積み立てているが、コロナ禍の財政難で積み立てができなかったので、今回の増収で積み立てをした。 ・施設整備基金  施設建設、改修・改築に充てる費用を積み立てている基金で、練馬区では280億円を目標額としている。 これもコロナ禍の財政難で目標額を下回っていたため、今回、取り崩し額を減らし、積み立てをすることで280億を維持できるようにした。 用地取得基金の運用額の増額は本当に必要か? これらの積立基金は、貯金と同じようなイメージで、積み立てれば増えるし、使えば減ります。 一方、「運用基金」という違う種類の基金として、用地取得基金というものがあります。運用基金は、特定の目的のために定額の運用をするものです。 用地取得基金でいえば、使うほど基金から残額が減るという形ではなく、買った土地も金額に換算してその合計額が定額になるよう運用していくのです。 土地が売りに出たときに、その土地を「公園にしたい」「保育園にしたい」と思っても、すぐ買い取らないとほかの人が買ってしまうかもしれません。 そのタイミングを逸しないように活用するのが用地取得基金です。以前は運用額を149億円としていたのですが、 2016年度に減額をして、現在104億5千万円で運用しています。 練馬区は、今回の増収に伴い、この用地取得基金を23億7600万円増額するという判断をしました。運用額の増額の理由は 「みどりを守り、まちの発展に不可欠な事業を推進するため」ということなのですが、用地取得基金はすでに104億5千万円あるのです。 このコロナ禍で、用地取得に充てる基金を増額することが今、本当に優先すべきことなのでしょうか。むしろ、その分を財政調整基金に積み立てて、 国のコロナ対策の足りない部分を検証して充てるなど、格差是正を進めるべきではないでしょうか。 また、今、練馬区は中村橋にある美術館を建て替えて、隣にあるサンライフ練馬を廃止し、図書館も含めて一体的なまちづくりを進めようとしています。 改築した場合でも70億円がかかるという試算をしていますが、建て替えではいくらかかるかも分かりません。 いくらかかるかは基本設計をしてみないと分からないというのですが、基本設計をするだけでも4千万円かかるそう。 なぜ、この厳しい時代にハコモノにお金をかけようとするのか、時代錯誤な判断と言わざるを得ません。 【4ページ目】 市民ふくしフォーラムでは、会員を募集しています。 議会では、「インクルーシブな練馬をめざす会」として5人で会派を作りましたが、 地域では引き続き市民ふくしフォーラムとして活動しています。 市民ふくしフォーラムでは、会員を募集しています。 会員になってくださった方には、 ・年3回のレポート郵送 ・メールアドレスを教えていただけた方には 月1,2回のメールでの活動報告 ・過去の報告会、勉強会の活動をまとめた冊子 ・会員グッズ をお送りいたします。 年会費は1000円です。 ご参加いただける方は、ゆうちょ銀行の振込用紙で お振込みによってお申し込みください。 市民ふくしフォーラム 00130-2-496362 今年会員になってくださった方には、2020年・2021年の勉強会・報告会の様子をまとめた冊子をお送りいたします。 かとうぎ桜子プロフィール ●1980年生まれ。現在、41歳です。27歳から区議会議員になって、4期目です。 ●桐朋女子という、自由な校風の中学・高校を卒業しました。こどもの頃から猫が好きで、 今も3匹の保護猫を飼っています。キジトラ、サバトラ、黒猫。 ●慶応義塾大学文学部では国文学を専攻していましたが、人間関係を調整する仕事に関心を持ち、 大学4年の夏休みにホームヘルパー2級の資格を取得しました。 ●もっと深く福祉のことを知りたいと、大学卒業後に夜間の上智社会福祉専門学校に入学し、 昼間はヘルパーや福祉関係の事務の仕事をしながら、2005年に社会福祉士を取得。 ●社会福祉士取得後、NPOで介護の仕事をしたのですが、制度的な課題を感じ、介護保険など制度運用の改善と 地域で人の生活をささえるしくみを作りたいと、2007年の区議会議員選挙に初挑戦し、当選しました。 ●議員になってすぐ、区立保育園の民営化問題で当事者が置き去りとなって施策が進められていることに疑問を感じ、 立教大学大学院・21世紀社会デザイン研究科にて、民営化問題と市民参加について研究しました。 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。今は定期検診のみで、落ち着いていますが、 この経験を機に、女性の健康や人権についてもっと取り組んでいきたいと考えました。 ●2014年、東日本大震災で被災した地域の応援の活動で知り合った夫と結婚。 ●2017年、手話検定1級取得。 ●2018年、シェアハウスと地域の拠点「ウイズタイムハウス」を大泉学園町4丁目にオープン ●2019年、福祉と連携した旅行サービスとNPO等の支援活動をする「桜こみち株式会社」設立 ●2020年、介護福祉士を取得。 ●ヘルパーや相談員の仕事も続けています。現場の実践を政策に活かすとりくみを今後も続けていきます。 ●ヘルパーの活動などでご高齢の方や障害のある方にお会いする機会も多いため、 コロナの感染状況を見ながら駅での配布は休止したり再開したりしています。