かとうぎ桜子区政レポート 3月号 議会報告通号138号 【1ページ目】 「2020年度の予算の質疑をしました。」 2月5日〜3月13日まで、練馬区議会の定例会が開かれ、2020年度の予算の質疑をしました。 私は以下のような趣旨の発言をしました。詳細はブログに順番に載せていますので、 ぜひご覧ください。 ・災害時、被災地に行政職員の派遣をしているが、近年災害が多発しているので、 例えば近隣自治体が水害等で被災した時に職員派遣をするルールなど様々な状況を 想定したしくみ作りをする必要がある。 ・防災学習センターの取り組みの中で、地域で暮らす障害のある人、 高齢の人などの生活を支える福祉事業所や民生委員、 ボランティアの方に対する実践的な防災研修、講座を実施すべきではないか。 ・パートナーシップ制度をはじめ、セクシュアルマイノリティに関わる施策の充実が必要。 ・子育て、介護、障害者施策など、区民に関わる様々な施策において、男女共同参画の観点が必要。 ・来年度、区民事務所に新たに外国人や障害のある人向けの「配慮が必要な方の専用窓口」を設置 するということなので、国による習慣の違いに配慮するなど支援のスキルアップをしてほしい。 ・死亡届を提出する方にお渡しする、手続等のご案内には、グリーフケアなどの情報を より分かりやすく掲載するなどご遺族のケアの視点に立った工夫が必要。 ・観光施策にもユニバーサルデザインの視点を持ち、障害のある人が練馬区の魅力を伝える イベントなど、誰もが楽しめる取り組みを進めては。 ・福祉避難所、災害医療機関の太陽光発電設備等の設置が進んでいないので、 原因を調査して改善をするべき。 ・住宅セーフティネット法に基づく「住宅確保用配慮者専用住宅」は 区内に2か所しかないので、もっと確保が必要。 ・昨年6月から練馬区が始めた住まい確保支援事業は、福祉事務所で住まいの 申し込みができるしくみだが、不動産情報の提供をしているだけなので、相談や同行などの支援も必要。 ・東京都との児童相談体制のあり方の検討の中では、財政的な役割分担も含めた検討を進め、 区としての役割の明確化を図る必要がある。 ・4月からファミリーサポートセンターで障害児の受け入れが可能であるとの案内を始めるので、 開始時の研修の他、援助会員に対する継続したフォロー体制をとる必要がある。 【2〜3ページ目】 「@特別支援教育に関する情報発信/A学校休校で障害のある子の生活は」 「特別支援教育のことももっと分かりやすく広報してほしい」 先日、私のところに、障害のある子を持つ親御さんからご相談がありました。 「今、こどもが保育園に通っていて、こんど小学校に入学するので、 特別支援学級に入ろうと考えている。学校の様子が知りたくて、 いつも保育園で配布される教育だよりを見ているけれど、 ほとんど特別支援学級の活動内容が書いていなくてとても悲しい。」 というお話でした。 この親御さんの思いは、特別支援教育のとりくみについて情報が得られないことに 困っているというのはもちろんですが、保育園でもらう情報に障害のある子の教育の存在が 除外されているようにお感じになったのではないかと思います。 「インクルーシブ教育を進めるためにも、もっと工夫が必要」 そこで、私は議会で、今特別支援教育のとりくみについてどのような広報を行っているかを質問しました。 教育委員会の担当者は、「教育だよりには、いろいろな教育・こども関係の活動を載せており、 すべてを網羅できるものではないことは理解してほしい。特別支援教育の取り組みは、 ホームページで広報している。」といった趣旨の答弁をしていました。 しかし、紙面の都合で物理的に難しい、ということだけで済ませていいのでしょうか。 教育だよりは、保育園、幼稚園、学校、地域で配布され、幅広く区民のみなさんの目に触れるものです。 こういった広報物で、障害のある子の教育について考える機会がないのは、ただ紙面の都合ということに とどまらない問題なのではないでしょうか。 特別支援教育について広報する意義は、障害のある子とそのご家族に対して必要な情報を分かりやすく お伝えしていくということはもちろんのことですが、障害のない人、地域の人に対して障害のある子の教育 について情報発信し、障害のある子もない子も共に地域で育つインクルーシブ教育を推進するという観点からも 積極的に進めるべきです。だから、単にホームページで広報して関心のある人が見られるというだけでは 不十分なのです。 そうした点から、特別支援教育の取り組みについての広報はもっと工夫すべきと、区教育委員会に求めました。 「学校休校でも影響を受ける障害のある子の生活」 2月27日(木)の夕方、政府から突然、「新型コロナウイルスへの対応のため、 3月2日(月)から学校の休校を要請する」という発表があり、現場は大変混乱しました。 木曜の夜に月曜からの休校を要請されたのですから、突然金曜で今年度の学校が終わって しまうような状況になったわけです。国からは「要請」という形ですので、 自治体の判断としてはその要請を受けないという選択肢もあったと思いますが、 多くの自治体、そして練馬区も2日からの休校を決めました。 卒業学年の子に与える影響も大きかったと思いますし、低学年のお子さんや 障害のあるお子さんがいて就労しているご家庭は「学童クラブは春休みなどの 長期休業と同様に朝からの対応をしてくれるのだろうか?」など、 やはり木曜の夜から不安な状況に置かれたと思います。 障害のある子は、区立小中学校の通常学級、特別支援学級、 また都立・私立の特別支援学校などで教育を受けています が、やはり同様に突然の休校となりました。 障害のある子は普段、学校のあとは「放課後等デイサービス」という、 福祉制度に位置づけられる療育施設で過ごすことも多いのですが、 放課後デイサービスもまた長期休業中と同様の体制がとれるのかという問題がありました。 学童クラブに関しては、がんばって朝からあけるようにするという区の方針が出されました。 ただ、体制をとるための財政的な保障はするといっても、現実的に人手の確保ができたのかという検証が今後必要です。 学童クラブは区立でやっているものも多いので、実態として十分かどうかは別としても区が 「実施するのだ」と方針を決めて動くことができます。 しかし、放課後等デイサービスは完全に民間のものです。 人の確保などは学童クラブ以上に厳しい面もあるようで、私が議会で3月4日に質問した時には、 「3月3日現在、放課後等デイサービスで朝からあけられているのは4割」という答弁がありました。 では、いつも通っているデイサービスが朝からあいていなくて、保護者が就労している場合は どうしたらいいのでしょうか。ヘルパーなどの支援で不足分を調整することになりますが、 ヘルパーも人手不足ですし、必要とする時間帯が重なることもあって調整が大変です。 ちなみに私も、3月2日の週から、緊急にヘルパーとして朝の時間帯のお手伝いをしている ご家庭があります。 新型コロナウイルスへの対応は、初めてのことで、どんなやり方が正解なのか、 まだわからない状況ではあります。ただ、学校の休校という、こどもとその家族、 地域社会に大きな影響を与える判断を下す必要が果たしてあったのかどうか。 特にこうした緊急時には、障害のある人など、普段から支援が必要な人に特に大きな影響を及ぼしてしまいます。 そうしたことを含め、後日改めて、今回の対応について検証し、今後に備えていく必要があると考えています。 「緊急時なんだから仕方ない」というのは強者の理論。 緊急時こそ、最も困難に直面する人の立場に立った施策を考えていきたいと思います。 【解説】 特別支援教育とは(文部科学省ホームページより) 障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、 幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を 改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うもの インクルーシブ教育とは(文部科学省ホームページより) 障害者の権利に関する条約第24条によれば、「インクルーシブ教育システム」 (inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、 人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで 発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、 障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が 「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、 自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、 個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。 教育だよりの配布場所など(練馬区教育要覧より) 年4回発行。2018年度発行部数各62000部。 区立幼稚園・保育園3〜5歳児保護者と区立小中学校児童生徒(保護者)への直接配布、区立施設窓口配布 この1年の教育だよりの主な内容 【2019年1月】 防犯/学力・体力の状況/学校保健大会/学校応援団の紹介/ジュニアリーダー養成講習会/ 友達の心と体を大切にしよう/教育委員会からの挨拶 【2019年4月】 大泉東小学校の新校舎が完成/換気のすすめ/防災学習/平成31年度の教育関連予算/ 練馬区青少年育成活動方針/教員の働き方改革推進プラン/読書活動/外遊び/ 学校図書館システム/研究発表/小中一貫教育フォーラム/いじめ防止実践事例発表会 【2019年7月】 図書館/児童館/学校プール開放/食中毒のQ&A/家庭教育支援リーフレット/情報教育推進事業/ 子どもまつり/子ども議会/校(園)内研究/区立中学校の学校選択制度のご案内/社会を明るくする運動 【2019年10月】 ねりっこクラブ/中学校生徒海外派遣/MTBI【軽度外傷性脳損傷】/ 小中学校の体育館に空調機を設置しています/「練馬こども園」を新たに3園認定/ みんなで取り組む"エコ活動"/学校応援団の紹介/児童虐待防止講演会/教科書採択/ 人権週間行事「青少年のための講演と映画のつどい」 【4ページ目】 次回介護勉強会の日程変更をします。【7月を予定】 前回のレポートで、次回の介護勉強会は4月25日に実施予定としていましたが、 新型コロナウイルスの影響がいつまで続くか不透明であり、 勉強会の内容が高齢者に関わることであるため高齢者の参加が見込まれること、 また会場をクリニックとしていたことから、講師のお医者さんとも相談して延期させていただきます。 時期は7月中で再調整中です。決まりましたら、改めてご案内させていただきます。 市民ふくしフォーラムの会員になりませんか? 私は政党に所属せずに活動しているので、自分で「市民ふくしフォーラム」 という政治団体を作って活動しています。 市民ふくしフォーラムでは年会費1000円で会員を募集しています。 会員になってくださった方には、年3回、区政レポートを郵送でお送りします。 (駅で配布しているものを郵送用にまとめ直したもの) また、会員特典として、過去の活動報告をまとめた冊子 (今年会員になってくださった方には2018年の活動報告冊子)、 ノベルティ(今年はエコバッグ)をさしあげます。 メールをお知らせいただいた方には月1,2回メールマガジン をお送りします。 ぜひ、かとうぎ桜子の活動を支えていただければ嬉しいです。 会員になっていただける方は、郵便振り込み用紙にお名前、 ご住所、メルマガをご希望いただける方はメールアドレスを ご記入いただき、以下にお振込みください。 振り込み口座:00130-2-496362 市民ふくしフォーラム ★駅でのレポート配布について かとうぎ桜子は、月に1回のペースで新しい区政レポートを作成しています。 視察など遠出をする場合などに間があくこともありますが基本的に1ヶ月で1めぐりするように、 おおむね以下のようなスケジュールで朝の通勤時間帯(7時〜8時30分頃)に配布しています。   ・毎週月曜日:大泉学園駅北口 (喫煙所の近く、駅正面のドトール前、グランエミオのビルの近く、 みずほ銀行の近くの4か所を順番に回っています。月曜日が祝日だったり、 月曜日に視察等があり都合がつかないときには曜日を変更する場合があります。) ・月2回、火曜日:大泉学園駅南口(1階ロータリーと2階デッキ) ・水曜または木曜のうち月3回:保谷駅北口と南口(北口正面、線路沿いの道、南口西友前) ・月3回、金曜日:石神井公園駅(中央改札側の正面、高架下、西口改札近く) ★かとうぎ桜子プロフィール ●1980年生まれ。現在、区議会議員4期目。 ●慶応義塾大学文学部に在学中、ホームヘルパー2級の資格を取得 ●大学卒業後、夜間の上智社会福祉専門学校に入学、社会福祉士取得 ●NPOで介護の仕事をする中で、地域福祉・地域社会にさらに深く幅広くかかわる必要性 を感じ、2007年区議会議員選挙に初挑戦、当選 ●公立保育園の民営化問題に疑問を感じ、区議の活動のかたわら立教大学大学院・21世紀 社会デザイン研究科にて研究。2010年修了 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。女性の健康へのとりくみの必要性についても 政策提言 ●2018年、地域の拠点・ウイズタイムハウスをオープン ●大泉学園町4丁目に猫3匹と夫と住んでいる