かとうぎ桜子区政レポート 2月号 議会報告通号137号 【1ページ目】 「高齢者のための口腔ケア」 定期的に開催している介護の勉強会、第10回目は、日本訪問歯科協会の方から 高齢者の口腔ケアについてお話をお聞きしました。 高齢者のお口のケアというと以前は入れ歯に関する相談が多かったが、 口内の細菌が身体的な病気(例えば糖尿病や肺炎など)に影響を与えることが 分かってきており、また誤嚥を防ぎながら美味しく食べることができるように するためにも口腔ケアが重要であるというお話を伺いました。 たくさんある歯科医の中で、訪問してくれる歯科の数は少ないものの、 訪問歯科をしているところでは、レントゲンなども含めて歯医者さんに行ってできる ほとんどのケアを訪問で行なうことができるため、 介護が必要な方の口腔ケアについて相談してほしい、という話もありました。 とても盛りだくさんな話を2時間たっぷりしていただきました。 私としては、元気な高齢者や少し心身が弱って気力が衰えがちな 「フレイル」と呼ばれる状態にある高齢者が予防的なケアとして どのように口腔ケアを取り入れていかれるかといった点を もう少し深められたら良かったなと思いましたので、 またいつか取り上げることができたらと思います。 介護の勉強会、今年は3か月に1回程度のペースで実施していきたいと考えており、 次回は4月25日、在宅医療について伺う予定です。 【2〜3ページ目】 「新しい年度からスタートする男女共同参画計画」 「性別による差別なく、自分らしく生きられる社会を目指すための計画」 2019年3月の区政レポートでも、男女共同参画に関することをご紹介しました。  男女共同参画計画には、男女平等の推進、DVや性暴力・ハラスメントの 防止、ワークライフバランスや働き方、政策決定への参画などが掲げられており、 性別による差別なく生きやすい社会を目指すことを目的としています。 練馬区では2016〜2019年度を期間とする第4次男女共同参画計画に続く 第5次計画(2020〜2024年度)を策定中。 2018、2019年度は新たな計画に向け、区民が参画する「男女共同参画推進懇談会」で 今後取り組むべき課題が議論されてきました。 2019年3月に懇談会から提言が出され、それを受けて区からは9月に計画素案のたたき台、 12月に素案が示されています。たたき台が出た段階で、私は議会でいくつかの課題を指摘しました。 「課題@セクシュアルマイノリティへの支援について」 同性のカップルが生活する上で、住まい、医療、福祉など様々な場面での差別や制度的障壁があることを背景に、 渋谷区をはじめ現在複数の自治体で「同性パートナーシップ制度」が広がっています。 練馬区議会でもこのことが取り上げられることもありますが、区は、 「自治体で制度を作ってもそれだけでは解決しないことも多く、 国等の制度との整合性や法的課題が残るので、様子を見たい」という姿勢です。 懇談会の提言では、「同性婚を現在のところ制度的に認めていない日本では、 性的マイノリティの差別をなくす上で重要な取り組みであり、練馬区でも前向きに検討すべきである。 なお、「同性パートナーシップ制度」を同性カップルに限定せず、 異性同士の事実婚も含めることを検討している自治体もある」として、 区に対して積極的な検討を求めています。 ところが、区のたたき台には、パートナーシップ制度の他自治体の動向についてさえもまったく記載がありません。 現在の区として制度化を考えていないためだと思われますが、少なくとも他自治体で広がっている制度であり、 今後の検討課題として記載すべきではないかと指摘しました。 それに対して区の担当者は「性的マイノリティの方に対することについては、大きな人権課題の一つと考えている」 と答弁したのですが、残念ながら12月に示された素案でも記載がなく、セクシュアルマイノリティに関しては、 「意識の形成」と「相談の実施」としか書かれていません。 啓発や相談は第4次計画でもすでに取り組まれてきたことで、新しいものではありません。 4次の取り組みをふまえた新たな取り組みが見られないのは残念です。2月の議会で改めて取り上げたいと思います。 「課題A健康、福祉、外国人支援などをどうとらえるべきか」 左上の図は9月に出されたたたき台の一部ですが、健康づくり、ひとり親支援、高齢者・障害者支援、 外国人支援の取り組み内容が網羅的で、なぜあえて男女共同参画計画に位置付ける必要があるのかが不明確です。 この指摘は懇談会でも挙がっており、私も議会で取り上げました。 例えば健康は、「女性はホルモンバランスの影響による疾患が起きることがある」「男性のほうが自殺率が高い傾向にある」 など、社会的・生物的な男女の違いによる差があるので、男女共同参画の目標設定はそうした点を ふまえたものにすべきではないかということです。 素案では、外国人に関しては左記のように「人権」という括りで取り上げ、 その他の課題はそれぞれの個別計画で取り組むとされました。 健康については「女性の健康」という点に特化して記載されました。 たたき台と比べ、一定の整理はされましたが、例えば「外国人の女性や障害のある女性が複合的な差別を受けることがある」 といった課題もありますので、これらの課題は男女共同参画の観点から取り上げることが必要ではないかと考えています。 これもまた2月の議会で改めて取り上げたいと考えています。 【図】【図1】2019年9月の段階の素案たたき台より(男女共同参画懇談会資料より) 男女共同参画の観点が含まれない事業の記載が多いという指摘があった。 「施策2 障害を通じた健康支援」 @こころとからだの健康づくりの支援(重点、充実) ・精神保健相談(こころの健康相談)事業 ・地域保健相談員による訪問支援(アウトリーチ)の充実 ・スポーツ参加推進の取組 ・がん患者の支援(新規) ・がん検診受診勧奨事業 ・「ねりまちてくてくサプリ」登録促進の取組 ・保育付き健康診査の実施等検診環境の充実(新規) ・「ちゃんとごはんプロジェクト」など食育推進事業 「施策3 配慮を必要とする人への支援」 @若年女性への支援(重点、充実) ・若年女性向け講座および活動への支援 Aひとり親家庭や生活困窮世帯への支援(重点、充実) ・ひとり親家庭自立応援プロジェクトの充実 ・中3勉強会等生活困窮世帯の子どもに対する支援 B高齢者や障害者への支援(充実) ・元気高齢者応援プロジェクトおよび街かどケアカフェなどの推進 ・障害者が地域で暮らし続けられる基盤の整備 C外国人への支援(充実) ・外国人向け情報提供および日本人との相互理解促進 D性的マイノリティへの支援(充実) ・性的マイノリティ特設相談事業 ・性的マイノリティに関する理解促進の取組 【図2】 2019年12月に示された素案の中から、「施策T 人権尊重と男女平等の推進  取組(1)多様な性・多様な生き方を認める意識の形成と啓発事業の強化」 「施策W 女性の健康と安心を支える暮らしの実現 取組(3)こころとからだの 健康づくりに関する支援」を抜粋 施策1 人権尊重と男女平等の推進 取組(1)多様な性・多様な生き方を認める意識の形成と啓発事業の強化(重点) @多様な性・多様な生き方を認め合い、ヘイトスピーチ等の査閲的言動の解消に 向けた意識の形成のため、講座やパネル展を実施します。 A性自認や性的指向に関する悩みを抱える人を対象とした相談を実施します。 B初級日本語講座やこども日本語教室を実施します。また、区民ボランティア による日本語教室の活動を支援します。 C外国人が日常生活で困っていることを相談できる窓口を設置します。 4か国語による相談やさまざまな情報提供を実施します。 D互いの文化や習慣の違いを理解しあえるよう、多言語表記の充実などに 取り組み、外国人と日本人の相互理解を促進します。 E多様な性のあり方や男女共同参画の視点に立ち、より適切な表現をわかり やすくまとめたガイドラインを作成します。区や区内の団体がポスター等を 作成する際に活用できるよう、区ホームページ等で広く周知を行います。(新規) 取組(3)こころとからだの健康づくりに関する支援 @子育て中の保護者が受診しやすいよう、保育付き健康診査の実施など健診(検診) 環境を充実します。 A女性に多い乳がん対策として「乳がん出張講座」やパネル展を実施します。 Bがん患者のQOL(生活の質)の向上と、より良い療養生活のため、外見の変化等 に対応する支援を検討します。(新規) C高齢者の女性に多い転倒骨折等の原因となる骨粗しょう症の検診と予防教室を 実施します。(新規)また、「ねりま ゆる×らく体操」をはじめとした各種体操 の講習会やスポーツ参加の推進などにより健康づくりに取り組みます。 D十分な休養と質の良い睡眠のとり方に関する講演会などを開催し、その重要性を 啓発していきます。また、ストレスチェックや対処法についても、区ホームページ等 で情報発信を実施します。 E保険相談室では、精神保健相談(こころの健康相談)を実施するとともに、国や 東京都が実施する相談事業の周知に努めます。男女共同参画センターや区民相談所の 「心の相談窓口」では、相談者の状況に応じて、保健相談所等と連携して取り組みます。 【4ページ目】 練馬区議会第1回定例会は2月5日〜3月13日まで 今回の定例会では、2020年度の予算の審査を行なう特別委員会に時間が割かれます。 予定では2月18日から3月の初旬までが質疑の日程。 予算特別委員会は通常午後1時から5時15分まで行なわれますが、 かとうぎ桜子の質問時間は4時半すぎから5時15分までの間の6分間です。 かとうぎ桜子は一人で活動しているため、質問時間がとても短いですが、 制限時間の中で必要な提案・指摘ができるよう毎日がんばっていますので、 ご都合がつけばぜひ傍聴にいらしてください。 日時の詳細は分かり次第ブログに掲載します。 また、質疑の内容は2月下旬頃から、ブログに載せますので、ぜひそちらもご覧ください。 次回介護勉強会は4月25日(土)、在宅医療について 定期的に行なっている介護勉強会、次回は少し先になりますが、 4月25日(土)の午後、訪問診療を行なっているねりま西クリニックの大城院長から、 在宅医療についてお話をうかがう予定です。 会場は大泉地域で調整中ですので、確定次第、改めてご案内いたします。 2018年活動報告冊子が完成しました 2018年の活動報告冊子ができました。4回にわたる介護勉強会のほか、 区政報告会の記録です。特に介護の勉強会は、制度が難しくてよくわからない方にも 分かりやすく読んでいただけると自負しております。 報告冊子は市民ふくしフォーラムの会員(年会費1000円)になっていただくか、 1000円以上のカンパをいただけた方に差し上げます。 また、それ以外の方には、300円でお分けいたします。 郵便振込用紙に会費/カンパ/冊子代のいずれかの別とお届け先ご住所をご記入の上、 以下にお振込みください。かとうぎがお届けにあがります。 振り込み口座:00130-2-496362 市民ふくしフォーラム ★駅でのレポート配布について かとうぎ桜子は、月に1回のペースで新しい区政レポートを作成しています。 視察など遠出をする場合などに間があくこともありますが基本的に1ヶ月で1めぐりするように、 おおむね以下のようなスケジュールで朝の通勤時間帯(7時〜8時30分頃)に配布しています。   ・毎週月曜日:大泉学園駅北口 (喫煙所の近く、駅正面のドトール前、グランエミオのビルの近く、 みずほ銀行の近くの4か所を順番に回っています。月曜日が祝日だったり、 月曜日に視察等があり都合がつかないときには曜日を変更する場合があります。) ・月2回、火曜日:大泉学園駅南口(1階ロータリーと2階デッキ) ・水曜または木曜のうち月3回:保谷駅北口と南口(北口正面、線路沿いの道、南口西友前) ・月3回、金曜日:石神井公園駅(中央改札側の正面、高架下、西口改札近く) ★かとうぎ桜子プロフィール ●1980年生まれ。現在、区議会議員4期目。 ●慶応義塾大学文学部に在学中、ホームヘルパー2級の資格を取得 ●大学卒業後、夜間の上智社会福祉専門学校に入学、社会福祉士取得 ●NPOで介護の仕事をする中で、地域福祉・地域社会にさらに深く幅広くかかわる必要性 を感じ、2007年区議会議員選挙に初挑戦、当選 ●公立保育園の民営化問題に疑問を感じ、区議の活動のかたわら立教大学大学院・21世紀 社会デザイン研究科にて研究。2010年修了 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。女性の健康へのとりくみの必要性についても 政策提言 ●2018年、地域の拠点・ウイズタイムハウスをオープン ●大泉学園町4丁目に猫3匹と夫と住んでいる