かとうぎ桜子区政レポート 1月号 議会報告通号136号 【1ページ目】 「都市型ケアハウス・介護老人保健施設の見学」 定期的に開催している介護の勉強会、第9回目は都市型ケアハウス「橋戸の丘」と 介護老人保健施設「練馬ゆめの木」の見学をさせていただきました。 もともと、老人福祉法という法律には軽費老人ホーム・ケアハウスというものがあり、 日常的に介護が必要というほどではないものの、見守りなどのサポートが必要な人の 暮らせる施設として位置付けられていました。しかし、都内は土地代も高いことから、 こうした施設があまりなかったので、1部屋7.43u以上と狭いものの (ちなみに従来のケアハウスでは1部屋14.85u)、 生活保護を利用している人でも暮らせる場を作ろうと、2011年にできたのが都市型ケアハウスです。 今回見学させていただいた橋戸の丘は居室にお手洗いがあるなど設備が充実しているためか、 待機者も多い施設だとのことでした。また、これらの施設は介護保険制度上の施設ではないため、 介護の状態が重くなると、よりケアの充実した施設に移る必要があるという制度的課題があるようですが、 できる限り長く生活できるようサポートしていらっしゃるということも感じました。 介護老人保健施設は区内14カ所ありますが、今回見学させていただいた「練馬ゆめの木」は、 特にリハビリを強化して実施している「超強化型」という分類の老人保健施設だそうです。 このように、一口に老人保健施設といっても短期集中型のリハビリを実施している施設と、 もう少し緩やかな施設などもあるので、その人の生活の必要性に応じ、活用すると良いようです。 2施設で本当にもりだくさんのお話を伺うことができました。 【2〜3ページ目】 「創業した区民の方々が区内で活躍できるためのサポートが必要」 「創業支援には、特に初期のサポートが必要では」 秋の議会の時、2018年度決算の産業経済費の際、創業支援について質問しました。 私自身、議員以外の活動をする中で感じるところですが、 創業支援は、創業して数年の事業収入が安定しない時期が特に支援が必要であると考えます。 事務所や店舗を確保するとなると、毎月の固定の支出が大きくなりますので、 事業を準備しているときにすぐに持つのは難しいと考えることもあると思います。 一方、住宅街である練馬区内では自宅を活用してビジネスのお客様に来てもらうには 分かりづらいことも多いでしょうし、特に女性が起業しようとした場合は、 自宅を公表して連絡先や打ち合わせ場所にすることは躊躇することもあるでしょう。 打ち合わせ場所の選択肢が喫茶店しかないのもビジネスとしてはやりづらい。 そのような場合に、創業時の支援を銘打ったシェアオフィスのような インキュベーション施設のニーズがあるのではないかと考え、必要性について提案しました。 練馬駅近くのココネリの中にある練馬ビジネスサポートセンターは2014年度に開設。 9月にかとうぎが質問した段階でビジネスサポートセンターを利用して創業した区民の方は 5年間で314人いらっしゃるそうです。その中で多い業種としては、 ・飲食業、理容業、美容業といった生活関連産業 ・税理士や司法書士といった専門技術サービス業 とのことです。 「23区中14区がシェアオフィス的な支援の拠点を有している」 練馬ビジネスサポートセンターで実施している支援事業は、社労士等の無料相談といった相談事業と、 様々なテーマのセミナーで、シェアオフィスはやっていません。 以下に掲載する表は、練馬区議会事務局調査係を通じ、23区のインキュベーション施設の設置状況を 調査したものです。紙面の都合で練馬区の近隣区のみご紹介していますが、 23区中14区がなんらかの形でシェアオフィス的拠点を置いており、 例えば台東区はものづくり、品川区は製造業など、分野を特定して支援している自治体もあれば、 豊島、北、板橋のように幅広く区内の事業を支援しているなど、やり方も様々です。 創業支援は民間の取り組みもさかんですが、シェアオフィスに関しても、都心部であれば 比較的リーズナブルに多様なサポートの得られる民間の取り組みもあります。 しかし練馬区内では、2019年秋に練馬駅で西武が新たな取り組みを始めたこと、 民間がシェアスペースのような場所貸しを始めたというくらいしか例がなく、 これが創業しようとする区民のニーズに合うサービスとなるのかも未知数です。 区内にニーズを充足する十分な支援がなければ、都心でスタートを切ることになると思いますが、 その後軌道に乗ってもスタート時の周辺で活動を続ける可能性も高く、 せっかく区民の皆さんが起業しても練馬区ではない場所で活躍することになってしまうかもしれません。 「まずはニーズ調査と民間との連携を」 練馬区としてのビジネス支援がソフト面中心である現状の中でまずやっていくべきことは、 @こうした民間の取り組みの実態を把握し、連携できる点は練馬ビジネスサポートセンターとの連携を進めること A今まで練馬ビジネスサポートセンターを活用して創業した人に対し「創業時にどんな支援が必要か」 という意向調査をしてこなかったとのことなので、今からでも追跡調査を行ない、創業支援で必要なメニューの検証をすること を提案しました。 【図】インキュベーション施設 (起業や操業をするために活動する入居者を支援する施設) 練馬区議会事務局調査係に依頼して調査。一部かとうぎが編集。 紙面に限りがあるため、練馬区周辺の自治体のみご紹介しています。 それ以外の区の状況などより詳細な内容については、 かとうぎ桜子ブログに掲載していますので、ご覧ください。 施設がない自治体=千代田区、中央区、港区、文京区、江東区 目黒区、渋谷区、中野区、練馬区 【取り組みの例】 @新宿区:A.施設:有 B.対象者の限定:無し、C.年数:創業しているいないにかかわらず入居から2年  D.種類・数:シェアードオフィス10席、個室オフィス2席 E.稼働率:府算出 F:運営形態:指定管理 A杉並区:A.施設:有 B.対象者の限定:有、現に事務所の確保が必要と認められ、次の(1)〜(3)すべての要件に該当する方  (1)新産業分野(先端的な産業、市場ニーズの広がりに対応する産業、地域再生の産業で、 情報・通信、アート・クリエイト(アニメ制作等)、環境、研究開発・知的集約、 福祉・介護、健康、生活関連、事業サービス)の事業を創業予定または創業3年未満の法人又は個人。 (2)当施設の利用期間終了後、杉並区内において引き続き事業を行う意思を有する方。 (3)税金(住民税・事業税)を滞納していない方。 C.年数:創業前、創業後に関わらず入居日から2年以内。 ※入居時に創業予定または創業3年未満の法人または個人が対象。 D.種類・数:執務室(個室)9部屋、会議室1部屋  E.稼働率:100%(平成30年度中に退去、入居の入替が数件あったため、若干の空室期間有。 F.運営形態:直営 B豊島区:A.施設:有 B.対象者の限定:無し  C.年数:原則入居から3年間(必要があると認めるときは、2年を超えない範囲で延長可。 創業者は創業5年までが限度)D.種類・数:オフィス1室(シェアデスク5席) ※入居者特典として、併設の地域交流センター設備(相談室、会議室等)も利用可能  E.稼働率:42.1%  F.運営形態:直営 C北区:A.施設:有 B.対象者の限定:無し C.年数:オフィス(個室)最長3年間  eスタートスペース(半個室)6カ月(審査の上、3回まで更新可能)※創業後による入居期間の制限はありません。  D.種類・数:オフィス(個室)14室、eスタートスペース(半個室)8ブース  E.稼働率:オフィス(個室)79.2%、eスタートスペース(半個室)93.8% F.運営形態:公募による指定管理制度 D板橋区:A.施設:有 B.対象者の限定:無し C.年数:創業している、していないにかかわらず入居から規定の年数  D.種類・数:スタートアップオフィス20室、シェアードオフィス8室、商談スペース1カ所 会議室1室  E.稼働率:スタートアップオフィス96.3%、シェアードオフィス94.8%、会議室36.7%(会議室は他の利用者の賃貸する) F.運営形態:プロポーザルによる指定管理 【4ページ目】 第10回介護勉強会は1月25日「介護と歯医者さんの役割」についてです。 現在、介護保険制度は、在宅介護・在宅療養の重視が謳われています。 制度には様々な課題もありますが、制度をうまく活用しながら、 介護が必要になっても楽しく自分らしく自宅での生活が続けられることは理想です。 そのため、2020年は在宅介護に関することを中心にして勉強会を行なっていく予定です。 第10回の介護勉強会は「介護予防・介護支援の観点からの歯医者さんの役割」 についてお話を聞いてみようという企画をしました。私たちにとって歯の治療で身近な歯医者さん。 介護が必要な人には「口腔ケア」が必要と言われますが、歯医者さんは歯の治療以外にはどんな観点で、 介護予防や介護支援に関わっているのでしょうか。 また、他の専門職との連携はどのように行なっているのでしょうか。 私たちや家族に介護が必要になったとき、歯医者さんにどんな相談ができるのかなど、 詳しくお話を聞いてみたいと思います。 【日時】2020年1月25日(土)午後2時〜 【会場】特別養護老人ホームこぐれの里   (練馬区大泉学園町2-26-28) (大泉学園駅から徒歩約15分。北園交差点から 少し入ったところです) *当日参加も可能です。 *当日のお問い合わせは080-3595-6431まで。 ★駅でのレポート配布について かとうぎ桜子は、月に1回のペースで新しい区政レポートを作成しています。 視察など遠出をする場合などに間があくこともありますが基本的に1ヶ月で1めぐりするように、 おおむね以下のようなスケジュールで朝の通勤時間帯(7時〜8時30分頃)に配布しています。   ・毎週月曜日:大泉学園駅北口 (喫煙所の近く、駅正面のドトール前、グランエミオのビルの近く、 みずほ銀行の近くの4か所を順番に回っています。月曜日が祝日だったり、 月曜日に視察等があり都合がつかないときには曜日を変更する場合があります。) ・月2回、火曜日:大泉学園駅南口(1階ロータリーと2階デッキ) ・水曜または木曜のうち月3回:保谷駅北口と南口(北口正面、線路沿いの道、南口西友前) ・月3回、金曜日:石神井公園駅(中央改札側の正面、高架下、西口改札近く) ★かとうぎ桜子プロフィール ●1980年生まれ。現在、区議会議員4期目。 ●慶応義塾大学文学部に在学中、ホームヘルパー2級の資格を取得 ●大学卒業後、夜間の上智社会福祉専門学校に入学、社会福祉士取得 ●NPOで介護の仕事をする中で、地域福祉・地域社会にさらに深く幅広くかかわる必要性 を感じ、2007年区議会議員選挙に初挑戦、当選 ●公立保育園の民営化問題に疑問を感じ、区議の活動のかたわら立教大学大学院・21世紀 社会デザイン研究科にて研究。2010年修了 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。女性の健康へのとりくみの必要性についても 政策提言 ●2018年、地域の拠点・ウイズタイムハウスをオープン ●大泉学園町4丁目に猫3匹と夫と住んでいる