かとうぎ桜子区政レポート 9月号 議会報告通号133号 【1ページ目】 「9月の介護勉強会はデイサービスと福祉用具のお話」 9月の介護勉強会は西大泉にある「コミュニティ・ケア」さんに見学に伺いました。 多岐にわたる在宅介護事業をされていますが、今回はデイサービスと福祉用具に 絞ってお話をお聞きしました。 【デイサービス】  練馬区内には、1日の利用定員が19名以下の小規模なものから50名にもなる 大規模なものまで、あわせて200ほどのデイサービスがあるとのこと。 コミュニティ・ケアは30名定員で、中規模なデイサービスだそうです。 大規模なところは介護の必要性が高い人も入りやすいお風呂の設備がある などのメリットがありますし、小規模なところはアットホームな環境で過ごせる メリットがあります。 今回見学したデイサービスは、リハビリに力を入れているということで、 利用者の皆さんがかなりしっかりと運動をされていました。 通い始めたばかりの頃は体力的にきついとおっしゃる方も多いけれど、 2か月目にもなると筋力が上がって問題なく過ごせるとおっしゃっていました。 筋力が上がれば、自宅での生活も自分でできることが増えて楽しくなるのでは ないでしょうか。また、男性はデイサービスに行くことにためらいがちな傾向が ありますが、このように「リハビリ」など明確な目標があると参加しやすいようです。 【福祉用具】  在宅生活を送るために活用できる福祉用具も、実際に見て体験させていただきました。上の写真にある介護用ベッドは、椅子に座るような姿勢を保つことができる というものです。一般的な介護用ベッドだと、頭と膝の裏あたりがギャッジアップ しますが、それだけではももの裏が突っ張って痛く、長時間体を起こすことが 負担になるので、足を下げることで楽な姿勢で座っていられるそう。 また、体験してみて、「椅子に座るような姿勢を保てることで、 家族や介助者に対する気兼ねしてしまう気持ちが少し緩和されるのでは」と感じました。姿勢を保つことは人との関係において尊厳を保つことにもつながるのかもしれません。 その他、住宅改修をしなくても使える手すりや、座面が上下するため椅子のように 座って床まで下がれる座椅子など、暮らしやすくなるための福祉用具のお話を聞くことが できました。 次回は11月30日です。詳細は裏面をご覧ください。 【2〜3ページ目】 「@学童クラブの「おやつ」に食育、食の安全面の配慮を」 今回のレポートでは、こどもに関わる2つのテーマをご紹介します。 ひとつめは、少し前になりますが、今年度の予算に対する質疑をしていた際に取り上げたテーマです。昨年、私は「食の安全」というテーマの勉強会を行ないました。農薬や添加物の使用の有無をチェックするなど、安全を考慮した食べ物を選ぶ必要があるというお話です。その中で、ご参加の方から「学童クラブではスナック菓子を出すことが多いのだけれど、みんなで手作りをするなど、もっと食育の観点を入れたおやつにできないのだろうか」というご意見が出たことを受けて、質問しました。 議会では、こんなやりとりをしました。(以下は概要です。) 〈かとうぎ桜子〉 区内の学童クラブで、どのようなおやつを提供しているか、実態を把握していますか? 〈子育て支援課長〉 学童クラブでは、基本的に、毎日、捕食として、いわゆるおやつを提供しています。1日100円程度を目安としていて、それは学童クラブの保育料に含まれています。 短時間で食べることができ、こどもたちも好きなスナック菓子やクッキー類が多く、こどもたちは毎日おやつの時間を楽しみにしています。 ときには、子どもたちと職員が一緒におやつをつくるなどの工夫もあります。 なお、アレルギーのある児童もいることから、アレルギー成分のチェックや、児童によりおやつを変えて提供するなど、最大限の注意を払っています。 「おやつを通じ、より豊かな 食の経験を」 つまり、行政としては、1人100円という価格で提供できる範囲で、「食中毒を出さない」「アレルギーに配慮する」といった点での食の安全には配慮しているものの、市販のスナック菓子での対応となります。手作りをするのは「ときどき」という状況。例えば旬のものを使う、無農薬の食材を使う、油が酸化した状態にならないよう配慮する、といった面での対応や食育まではほとんどできていないといって良いといえます。 安全な食材や旬のものを使った手作りおやつ作りは、忙しい毎日の中で家庭で実施するのは難しいことも多いかもしれません。だからこそ、学童クラブのような公的な保育の場で、楽しく豊かなおやつの経験が広がるよう、行政として工夫していく必要があるのではないでしょうか。 「A今後の児童相談体制はどうするか?」 2つ目にご紹介するのは、児童相談体制についてです。 児童と家庭の相談を受ける機関に「児童相談所」がありますが、基本的には都道府県、政令指定都市に設置されています。また、中核市も設置が可能であることに加え、2016年の法律改正で23区でも設置できることになりました。 児童虐待防止法ができ、児童虐待の認知が進む中で、児童相談所への相談件数は増加の一途です。 23区はもともと、都と区の役割分担の再検討の一環として、児童相談所を設置したいという主張をしていたので、法律でそれが認められ、積極的に設置を検討する区が多くあります。しかし、練馬区は、「児童相談所はこどもの一時保護など、ひとつの区だけでは十分対応できない課題があることから、都がやるのが望ましい。こどもと家庭に対する支援のためにより良い形になるように、区に新たに児童相談所を設置するのではなく、都の児童相談所との連携体制を強化するのだ」と言っています。 以下は、児童相談所に関する、今年度予算の審査の際の質疑です。 〈かとうぎ桜子〉 23区と一口に言っても、さまざまな規模の区があります。区での児童相談所設置によって、本当に子どもや家庭への支援が改善するのかという観点で検証していくことが大切です。 練馬区の場合、人口規模という面で見れば、中核市や、比較的小規模な政令指定都市と同程度の規模です。そうした、既に児童相談所の設置がされている同規模の自治体と比較してみたときに、練馬区への児童相談所の設置にどのような課題があるのでしょうか。 〈練馬子ども家庭支援センター所長〉 児童相談所の業務は、基本的に広域行政です。仮に区が児童相談所を設置したとしても、広域的な業務をなくすことはできません。 区の児童相談所設置を政令市と比較するのであれば、23区全体と比較すべきと考えます。 生活実態として、東京の生活圏は各区を超えて広がっており、区単位で課題を解決することができないからです。したがって、区で児童相談所を設置する考えはございません。 「都が児童相談所をやっていることの メリットデメリットの検証が必要」   たしかに練馬区に児童相談所を設置したからといって、それが即、児童虐待対応の改善につながるとはいえません。特によく検討すべき点は、「子育て支援」として子育てに困難を抱えた親に寄り添う支援をすることと、「虐待からこどもを救い出す」という観点で家庭に介入し、状況によってはこどもを守るために親と対立関係にならざるを得ない対応とをどう両立させていくかという点です。区が行なうのは支援、都の児童相談所が行なうのは介入、という明確な役割分担ができると分かりやすいという面もあります。 一方で、それぞれの組織が別の場所にあることによって、そのこどもと家庭への支援が分断され縦割りになるリスクもあります。特に練馬区のように人口の多い区で、1つ1つのケースに丁寧な対応ができる「連携」のしくみがしっかり作れるのか、という課題が残ります。「児童相談所を設置する」「いや、設置しない」という二元論的な議論ではなく、何が本当にこどもと家庭への支援につながるかという観点からの検証を進めていく必要があると私は考えています。 「障害のある子への対応の改善を」  児童相談所の役割は、虐待対応のイメージが強いですが、障害のある子に対する対応という役割も持っています。特に、知的障害のある子が愛の手帳(障害者手帳)をとるために障害の判定を受けて発行の手続きをするのは児童相談所です。障害の判定をする専門性を持った職員が児童相談所に配置されているからです。練馬区を担当する児童相談所は、新宿にあります。  知的障害のあるお子さんのいらっしゃるお母さんからこんな話を伺いました。 「自分のこどもに知的障害があると初めて分かり、これからどんな生活になっていくのだろうか、どんな教育があるのだろうかなど、不安だらけのときにまず手帳を取得します。障害に応じた療育の相談や、利用できる福祉サービス、学校教育のことなどは練馬区の窓口で相談しますが、手帳の交付だけは新宿の児童相談所。地理的に離れているのはもちろんのこと、支援が縦割りである不安感は、障害と向き合う初期の時期だからこそ、とても大きなものでした」  こういった、当事者が感じる「縦割り感」は解消すべき点ではないでしょうか。例えばもし今の児童相談所体制のままでやっていくというならば、定期的に区内で手帳の交付手続きができる相談日を設けるといった対応が可能かどうか、ということを検証していかなければなりません。それができないのであれば、やはり児童相談所を区に設置する必要があるでしょう。  6月の議会でこの問題を取り上げた際には、「今年5月に都と区による児童相談体制等検討会が設置されたので、そこで協議をする」という答弁がありました。  支援体制の改善に向けての議論が進むよう、しっかり内容をチェックしていきたいと思います。 【4ページ目】 11月30日(土)第9回介護勉強会14時〜16時半 @橋戸の丘、練馬ゆめの木 ケアハウス(軽費老人ホーム)は、身寄りがないなど、見守り等のサポートが必要な人が暮らす施設ですが、練馬区内には私の事務所の近くにある大泉ケアハウスの1か所しかありません。低所得だったり身寄りのない高齢者が環境の整備されていない行政無届の施設に入り、火災事故で亡くなる事故(たまゆら火災事故)が起きたことをきっかけに、都心部に限ってケアハウスの面積基準を緩和した「都市型ケアハウス」というしくみが作られました。練馬区内は都市型ケアハウスの整備が進んでいるほうですが、そのうちのひとつである「橋戸の丘」さんの見学をさせていただきます。 またその後、近隣にある介護老人保健施設「練馬ゆめの木」の見学をします。介護老人保健施設は在宅で暮らす高齢者がリハビリのために短期間入所する施設。以前は実質的に特養待機の場になっているといわれたこともありましたが、制度の改正があって今はかなり在宅復帰に力を入れていますので、どのような体制で運営されているのかといったお話が聞けたらと思っています。 【日時】11月30日(土)午後2時〜 【集合】橋戸の丘(練馬区大泉町2-9-37) (石神井公園駅北口バス停から成増駅南口行きバス (東映撮影所を通るバス)に乗り、「橋戸小学校」バス停 で下車し、徒歩3分) お申し込みはこちらから https://forms.gle/x9PuU9gCZYD9GKXd7 ★【再掲】10月26日(土)区政報告会 14時〜15時半 @かとうぎ桜子事務所 今回初めての試みとして、かとうぎ桜子事務所にて区政報告会を 開催します。選挙後の議会の状況をお話させていただきます。 日時:10月26日(土)14時〜15時半 場所:かとうぎ桜子事務所 電話03-3978-4154 FAX 03-3978-4158 メール sakurako_happy_society@yahoo.co.jp 申し込みURL https://forms.gle/5LvjkZij24S6eZgt9 ★駅でのレポート配布について かとうぎ桜子は、月に1回のペースで新しい区政レポートを作成しています。 視察など遠出をする場合などに間があくこともありますが基本的に1ヶ月で1めぐりするように、 おおむね以下のようなスケジュールで朝の通勤時間帯(7時〜8時30分頃)に配布しています。   ・毎週月曜日:大泉学園駅北口 (喫煙所の近く、駅正面のドトール前、グランエミオのビルの近く、 みずほ銀行の近くの4か所を順番に回っています。月曜日が祝日だったり、 月曜日に視察等があり都合がつかないときには曜日を変更する場合があります。) ・月2回、火曜日:大泉学園駅南口(1階ロータリーと2階デッキ) ・水曜または木曜のうち月3回:保谷駅北口と南口(北口正面、線路沿いの道、南口西友前) ・月3回、金曜日:石神井公園駅(中央改札側の正面、高架下、西口改札近く) ★かとうぎ桜子プロフィール ●1980年生まれ。現在、区議会議員4期目。 ●慶応義塾大学文学部に在学中、ホームヘルパー2級の資格を取得 ●大学卒業後、夜間の上智社会福祉専門学校に入学、社会福祉士取得 ●NPOで介護の仕事をする中で、地域福祉・地域社会にさらに深く幅広くかかわる必要性 を感じ、2007年区議会議員選挙に初挑戦、当選 ●公立保育園の民営化問題に疑問を感じ、区議の活動のかたわら立教大学大学院・21世紀 社会デザイン研究科にて研究。2010年修了 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。女性の健康へのとりくみの必要性についても 政策提言 ●2018年、地域の拠点・ウイズタイムハウスをオープン ●大泉学園町4丁目に猫3匹と夫と住んでいる