かとうぎ桜子区政レポート 7月号 議会報告通号131号 【1ページ目】 「6月の議会で一般質問を行ないました」 4月の選挙を経て、最初の定例会が6月7日〜28日まで行なわれました。 まず、正副議長や各議員の所属する委員会などが決まりました。 私はこれから1年間、都市整備委員会(まちづくり、環境など、環境部・都市整備部・土木部に関する事項を扱う常任委員会)と 総合・災害対策等特別委員会(地域防災、危機管理、地方分権・財政権拡充について調査研究する特別委員会)に所属することになりました。 また、6月19日、区議会定例会の本会議で一般質問を行ないました。 一般質問は、区政についてどんなことでも質問できる機会で、練馬区議会では正副議長と監査委員をやっている議員を除く全員が年1回ずつ行ないます。 今回の私の質問は、 @この3月に策定された自殺対策計画のこと A今年度から練馬区でスタートした居住支援の取り組みのこと B以前、私が企画している介護勉強会でとりあげた高齢者向け配食サービスと高齢者の見守りのしくみ C手話施策の充実 Dバリアフリー E障害のある人が働きやすいしくみづくり F知的障害のあるこどもの愛の手帳発行のこと G妊娠を経験した助成への心身のケア といったテーマを取り上げました。 詳しい内容はこのレポートでも順番に取り上げますが、ブログにも順次載せていきますので、ぜひご覧ください。 ブログ https://ameblo.jp/sakurako-nerima/ 【2〜3ページ目】 「実効性のある自殺対策の充実を」 6月の定例会で、一般質問を行ないましたが、今回のレポートでは自殺対策についての質疑をご紹介します。 自殺対策基本法の改正で、市区町村の計画作りが位置付けられたことを受け、2019年3月に練馬区は独自の自殺対策計画を作りました。 計画を作って満足することなく、実効性のある対策を進めていくことができるよう、現状の分析で見えてくる課題を取り上げました。 「積極的な対策を取らなかった結果、死亡率の減少を遅らせているのでは」 私は今まで繰り返し、自殺対策について取り上げてきました。 それは、練馬区の自殺対策が不十分であると考えてきたからです。 例えば、足立区は都市型の自殺対策の先駆的な取り組みをしてますし、荒川区では若い人が相談しやすい場づくりの工夫をしています。 港区は法律で市区町村の自殺対策計画策定が定められる前から独自の計画を策定しています。 このように、23区だけ見ても、様々な工夫をしている自治体がありますが、練馬区は啓発月間に区報などで特集するというような、 国から言われている基本的な啓発活動しかしてきませんでした。 そのため、私は「もっと、練馬区の実態を分析したうえで、地域で工夫しうる対策を考えるべきだ」と繰り返し指摘してきました。 しかし、そのたびに練馬区が言ってきたのは、「練馬区はそんなに自殺死亡率が高くない」という言い訳です。 練馬区はもともとの人口が23区で2番目に多いのですから、率は低くても実人数は多くなります。毎年100名を超える人が自殺で亡くなっています。 しかも、今回練馬区がまとめた自殺対策計画の中の実態分析を見ると、国や都の自殺の減少率と比べて減少の幅が小さいことがわかります。(図表@) これは、今まで自殺死亡率の低さに慢心して自殺対策に真摯に取り組まなかった結果ではないでしょうか。 左の答弁@では、まともな答弁がありませんが、これまでの状況を反省し、今後、改善を目指して真剣な取り組みを進めていくべきです。 「実態から見える課題に早急に取り組む必要が」 実態分析の中からは、様々な課題が見えてきます。 まず、どの年代でも、男性の死亡率が6割以上を占めているということです。(図表A) その一方で、希死念慮があり保健相談所に相談している人の8割が女性であるという結果も見られます(図表B)。 つらいときに誰かに相談することが、自殺を防ぐためにはとても重要なポイントとなることが改めて見えてきます。 現状では、男性は、困りごとを相談することができないまま生きる希望を失っている人が多いのではないかと推測されるため、 男性が相談しやすい環境の整備が早急に求められます。 また、20代までの死亡率が全国と比べて高い状況にあることが国から指摘されています。 先ほど、荒川区で若い人への支援に力を入れていると書きましたが、若い人が相談しやすい環境づくりは練馬区にとっても急務の課題です。 そして、年代別に見ると最も自殺死亡率の高い年代が70代。そして50代、60代、80代と続きます(図表C)。 70、80という年代まで生きてきた人が最期を自殺で終わらざるを得ない現状を改善していかなればなりません。 練馬区が今度こそ実効性のある自殺対策を進めていくことができるか、今、問われています。 【図表@】自殺死亡率の推移 ※自殺死亡率:人口10万人当たりの自殺者数 出典:厚生労働省「地域における自殺の基礎資料」  (練馬区自殺対策計画P4資料より。「24年→28年の減少率」はかとうぎ桜子が追記) 全国  24年21.8 25年21.1 26年19.6 27年18.6 28年17.0 24年→28年の減少率-4.8 東京都 24年21.5 25年21.3 26年19.8 27年18.5 28年16.6 24年→28年の減少率-4.9 練馬区 24年17.8 25年18.3 26年20.0 27年15.3 28年16.6 24年→28年の減少率-1.2 【図表A】練馬区の年代別自殺者数 ※出典:厚生労働省「地域における自殺の基礎資料」  (練馬区自殺対策計画P5資料より。「男性の割合」はかとうぎ桜子が追記) 20歳未満 男性11 女性7 全体18 男性の割合61.1% 20-29歳  男性63 女性29 全体92 男性の割合68.5% 30-39歳  男性51 女性27 全体78 男性の割合65.4% 40-49歳  男性66 女性40 全体106 男性の割合62.3% 50-59歳  男性68 女性36 全体104 男性の割合65.4% 60-69歳 男性64 女性32 全体96 男性の割合66.7% 70-79歳  男性53 女性31 全体84 男性の割合63.1% 80歳以上 男性27 女性18 全体45 男性の割合60.0% 不詳   全体1 【図表B】保健相談所における自殺未遂者・希死念慮がある人の相談状況 (練馬区自殺対策計画P11より) 練馬区の保健相談所(6か所)で自殺未遂者・希死念慮がある人に実施した 相談支援について、調査・分析を行いました。 期間:平成29年4月1日〜30年6月30日 対象:自殺未遂者および日常的に希死念慮のある人(95人) 対象者95人のうち女性が75人、男性が20人で女性が約8割を占めています。 年代別では30歳代が最も多く、20歳代、40歳代が続いています。 仕事の有無では無職者が7割を占めています。 同居者の有無では「同居者あり」が59人で「同居者なし」を上回っています。 精神疾患の有無では、精神疾患がある人が84人で約9割となっています。 相談状況 男性21% 女性79% 【図表C】年代別自殺死亡率(平成24年〜28年の合計) ※年代別自殺死亡率:年代別の人口10万人あたりの自殺者数 出典:厚生労働省「地域における自殺の基礎資料」 練馬区自殺対策計画P5より 20歳未満 3.0 20-29歳 20.6 30-39歳 14.1 40-49歳 18.1 50-59歳 24.5 60-69歳 24.4 70-79歳 25.5 80歳以上 20.7 【4ページ目】 少し先の予定になりますが、今後の勉強会、報告会のご案内です。 ★9月7日(土)午後2時〜介護の勉強会第8回目「デイサービス見学」 昨年から定期的に行なっている介護の勉強会第8回目は、9月7日に予定しています。 今回は、訪問介護(ヘルパー)、居宅介護支援(ケアマネ)、通所介護(デイサービス)、 福祉用具貸与の事業をしている「コミュニティ・ケア」さんの見学をさせていただきます。 以前、勉強会で見学させていただいたデイサービスは特別養護老人ホームに 併設されていましたが、今回はまた違う形態の事業所さんです。また、 様々な事業を実施しているので、色々な分野のお話を聞けると思います。 初参加の方も歓迎しております。ぜひご参加ください。 【日時】9月7日(土)午後2時〜 【集合】コミュニティ・ケア(練馬区西大泉3-26-15 さかえやビル) (大泉学園駅から福祉センター入口行き「大泉第三小学校」バス停下車すぐ) *当日参加も可能です *お問合せ・お申し込みはお電話・メール・申し込みフォームからお願いします。 https://forms.gle/CGTsM7WnsnVW52bK7 *昨年は台風で中止になってしまったことがあったため、当日参加される場合、 天候等、心配な際にはあらかじめご連絡いただければ幸いです。 また、中止の場合は、ブログ、SNS、メールマガジンにてお知らせいたしますので、ご確認ください。 *当日の会場のお問い合わせ等は、かとうぎ携帯080-3595-6431までご連絡ください。 ★10月26日(土)14時〜かとうぎ桜子事務所にて区政報告会 今回初めての試みとして、かとうぎ桜子事務所にて区政報告会を開催します。 選挙後の議会の状況をお話させていただきます。ぜひご参加ください。 ★駅でのレポート配布について かとうぎ桜子は、月に1回のペースで新しい区政レポートを作成しています。 視察など遠出をする場合などに間があくこともありますが基本的に1ヶ月で1めぐりするように、 おおむね以下のようなスケジュールで朝の通勤時間帯(7時〜8時30分頃)に配布しています。   ・毎週月曜日:大泉学園駅北口 (喫煙所の近く、駅正面のドトール前、グランエミオのビルの近く、 みずほ銀行の近くの4か所を順番に回っています。月曜日が祝日だったり、 月曜日に視察等があり都合がつかないときには曜日を変更する場合があります。) ・月2回、火曜日:大泉学園駅南口(1階ロータリーと2階デッキ) ・水曜または木曜のうち月3回:保谷駅北口と南口(北口正面、線路沿いの道、南口西友前) ・月3回、金曜日:石神井公園駅(中央改札側の正面、高架下、西口改札近く) ★かとうぎ桜子プロフィール ●1980年生まれ。現在、区議会議員4期目。 ●慶応義塾大学文学部に在学中、ホームヘルパー2級の資格を取得 ●大学卒業後、夜間の上智社会福祉専門学校に入学、社会福祉士取得 ●NPOで介護の仕事をする中で、地域福祉・地域社会にさらに深く幅広くかかわる必要性 を感じ、2007年区議会議員選挙に初挑戦、当選 ●公立保育園の民営化問題に疑問を感じ、区議の活動のかたわら立教大学大学院・21世紀 社会デザイン研究科にて研究。2010年修了 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。女性の健康へのとりくみの必要性についても 政策提言 ●2018年、地域の拠点・ウイズタイムハウスをオープン ●大泉学園町4丁目に猫3匹と夫と住んでいる