かとうぎ桜子区政レポート 11月号 議会報告通号135号 【1ページ目】 「事務所で区政報告会を行ないました」 10月26日、かとうぎ桜子事務所にて区政報告会を行ないました。 今までは勤労福祉会館など、施設を借りて行なうことが多かったのですが、事務所での報告会は初めての取り組みです。 4月に区議会議員選挙があってから初めての報告会でしたので、改めて選挙でどのように変化があったのかをお話した後、 6月と9月の議会で出た話題についてお話をさせていただきました。 特にこの間の議会で議論になったのが、「沖縄県民投票の結果を尊重し対話をするよう国に意見書を出す」 という議員提出議案のことです。この議案は私も提出者に名を連ねました。 結果的に否決されてしまったのですが、その審査のプロセスで、大きなヤジを飛ばすなど不誠実な対応をする議員がいました。 議会は多様な意見を持ち寄り真摯に話し合う場のはず。自分と異なる意見を馬鹿にするような姿勢を取る人がいるのは残念です。 報告会ではそのことも詳しく報告させていただきました。 狭いスペースで、プロジェクターで映写も難しかったため、パワーポイント資料を手で示しながらお話させていただきました。 小規模でアットホームな雰囲気の中、ご参加くださった方からたくさんのご意見を出していただきました。 例えば、大泉学園駅のホームが狭く危険を感じること、議会を傍聴すると資料の配布や閲覧がないため 分かりづらいので改善してほしい、といったご意見がありました。 区立施設の会議室では部屋が広く改まった雰囲気になってしまいがちですので、 今回のようなお茶会のように意見交換する場も今後も設けていけたらと思います。 尚、今年最後の区議会は11月27日から12月13日の予定です。 【2〜3ページ目】 「児童虐待への対応のため、都区の連携を進めるためには まず区としての主体的な体制の構築が必要」 9月号の区政レポートで、児童相談所(児相)における障害児支援について取り上げましたが、 2018年度決算の質疑の際には、児相での虐待対応など、東京都との役割分担について質問しました。 こどもと家庭の支援で都と区のはざまが生じて支援が届かないという事態を避けるためには 何をしなければならないのか。そのための非常に基本的な質問をしたにもかかわらず、 不明確な答弁しか返ってこず、現在の区の体制に不安を感じました。都との連携を進めるにしろ、 まずは区としての主体的な姿勢が求められますので、基盤づくりに力を入れるべきであることは、 今後も指摘していきたいと思います。 「児童虐待に対応するため、児相の体制の充実と市区町村による対応の充実が求められている。」 児童相談所(児相)は多くの場合、都道府県と政令指定都市が設置していますが、 2016年の児童福祉法改正で、23区も児相が設置できると法律上明記されました。 多くの区が児相設置に積極的な姿勢を示す中、練馬区は23区で唯一、児童相談所を設置しないと 表明しています。「ノウハウのある都の児相を今後も活用しながら、 区としてさらに児童相談体制を充実できるよう、都との連携を強めるほうが効果的だ」 という考え方のようですが、その姿勢には議会でも賛否が分かれています。 一方、虐待による死亡事故が起こるなど、児童相談所の体制の不備を解消する必要がある という課題があることから、国でも、児相に配置する職員のための専門の資格を創設することなど、 課題解決に向けた検討が進められています。 そういう中で東京都は、今年5月から、市区町村との「児童相談体制等検討会」を始めました。 資料は都のホームページに載っています。 検討会は当面、2022年度までの目標設定をし、検討の方向性として次の案を挙げています。  ・人材育成の連携、人事交流の強化  ・保護者支援の協働  ・東京ルールの見直し  ・保有施設の活用  ・情報共有方策の検討  虐待対応は、家庭の子育て負担を軽減する「寄り添い型支援」と、 こどもに命の危険があるときに保護するなどの「介入」という両側面が必要です。 練馬区もこの役割分担について都とどのように進めるかということを課題として挙げています。 こうした状況を踏まえ、以下のような質疑をしました。 【決算特別委員会での質疑の一部】 (かとうぎ桜子)  検討会の資料には、市区町村の子ども家庭支援センターも都の児相も、職員の業務経験の年数が少ない、 非常勤の占める割合が多いなど、専門性に課題があるとされている。 今まで区は、児相への職員派遣や、区の会議に児相職員・弁護士にスーパーバイザーとして参加して いただくなど資質の向上を図る取り組みを進めてきたというが、その先の将来像をどう描くか。 (練馬子ども家庭支援センター所長) 専門研修を受講させるなど、職員の育成に引き続き取り組む。 また、かとうぎ議員が話した通り、スーパーバイザーの指導助言を受けている。 (かとうぎ桜子) 連携や研修は専門性の向上のための入口でしかない。 専門職の人数の確保、人材育成にはさらなる取り組みが必要だ。 (こども家庭部長) 検討会で課題として挙げられているものは具体的な解決をいまだできていないからこそ、 課題として挙げられている。その課題にすぐ答えが出るなら検討会は要らない。 すぐにこうとは答えられない。 「将来像が不明確な現状」 児童相談体制の課題を区としてどう整理していくのかという基本的な質問に対して、 「そんなの答えられない」という答弁は、あまりにもお粗末ではないでしょうか。 どんな問題に取り組むにあたっても、今ある課題の整理をし、 目指すべき将来像を描くことは第一にやらなければならないことなのではないでしょうか。 ましてや重大なテーマである児童相談体制についてですので、曖昧な答弁しか返ってこない現状に大変不安を感じました。 児童相談体制の充実をさせるための大前提として、 まずは区のこども家庭支援センターの組織体制の強化をすべきであると指摘しました。 こどもの権利擁護を第一に考え、そのために現場で奮闘する専門職がその力を十分に発揮できるよう、 区としてしっかりと体制を取るようにこれからも課題を指摘していきたいと思います。 また、検討会の資料には、「令和2年度のモデル事業として、 練馬区の子供家庭支援センター内に東京都児童相談所のサテライトオフィスを設置する方向で検討を進める」とありますので、 今後、具体的な方針について議会でとりあげていくことになります。 【表】2019年5月24日 第1回「児童相談体制等検討会」資料より 【表1】東京都児童相談所と子供家庭支援センター(区市町村)の現状と課題 重篤度順に @死亡・生命の危機(最重度虐待) A親子分離が必要(重度虐待) B在宅支援(中〜軽度虐待) ※児童福祉司指導 C在宅支援(中〜軽度虐待) ※助言指導、継続指導 D集中的虐待発生予防、虐待早期発見・早期対応(虐待ハイリスク) E自律的な養育が可能、子育て支援による虐待予防(虐待ローリスク・健康群) @〜Cは児童相談所による介入がある。 C〜Eは区市町村による支援がある。 C〜Eであっても警察通告、面前DV、泣き声、189への通告の場合は児相が対応することもある。 〇児相からみた区市町村との連携の課題 ・調査や保護者対応が不十分な段階で、児相に送致や一時保護の依頼がなされる場合がある。 ・対応困難な保護者に消極的な場合がある。 ・リーダーの入れ替わりで組織対応が左右される場合がある。 〇区市町村からみた児相との連携の課題 ・区市町村の現場の肌感覚や危機感が児相に伝わらない場合がある。 ・援助方針、一時保護・施設入所や退所等の判断基準が不明確な場合がある。 ・一時保護からの復帰や入所措置解除に関する区市町村への情報提供が不足・遅延する場合がある。 【表2】今後の検討について 【検討の方向性(案)】 事前調査で意見が多かった事項を中心に検討を進める。 @人事交流の強化 職員育成、相互理解を進めるため都と区市町村の人事交流を実施 A人材育成の連携 都と区市町村の合同研修等の充実 B保護者支援の協働 区市町村の保護者支援に児童相談所の専門的機能の活用や協働 C保有施設の活用 区市町村保有施設での一時保護(委託)や児相の拠点設置の検討 D情報共有方策の検討 都と区市町村の情報共有システムやテレビ会議の実施等の検討 E東京ルールの見直し 逆送致等の状況確認と特別区児相設置を踏まえた東京ルールの見直し 【検討にあたっての留意点」 ・実務上の運営で取り組める事項は今回の意見を踏まえて各機関で調整・実施(個別研修の充実、面接室活用など) ・各項目の個別の取組だけでなく、連携強化の視点を踏まえ、複合的な効果が得られるような取組も検討 ・人的、財政負担が大きく見込まれる施策は、施策検証の必要性を踏まえて、モデル実施や段階的実施を行う 【検討スケジュール(案)】 ・施策の検討・検証や都児相・区児相・子家センの運営状況の共有等を継続的に行うため、 検討会は本年度から令和4年度まで設置する。 ・法改正など国の施策の動向等も踏まえて、検討事項や施策のモデル実施などを適宜見直す。 @人事交流 本年度:課題整理、モデル事業検討 令和2年度:モデル実施 令和3〜4年度:拡大・見直し A人材育成 本年度:意見交換、各機関で研修等を充実 令和2〜4年度:継続的に情報共有・意見交換 B保護者支援 本年度:課題整理、モデル事業検討 令和2年度:モデル実施 令和3〜4年度:拡大・見直し C保有施設の活用 本年度:課題整理、モデル事業検討 令和2年度:モデル実施 令和3〜4年度:拡大・見直し D情報共有 本年度:課題整理、共有可否・範囲等検討 令和2〜4年度:検討状況を踏まえて対応 E東京ルール 本年度:東京ルール・ガイドラインの見直し 令和2〜4年度:継続的に情報共有・意見交換 ※令和5年度以降 児童福祉行政の状況等を踏まえて、必要に応じて本会議を延長 【4ページ目】 議員の活動とは別に、新たな活動を始めました。 ★シェアハウス&地域の居場所「ウイズタイムハウス」 昨年の春から、議員の活動とは別に、大泉学園町4丁目でシェアハウスと 地域の居場所「ウイズタイムハウス」を始めました。 ここは、ご高齢の方、障害のある方、福祉に関心のある方など、「生活にちょっとサポートがあると良いな」と思う方が暮らす場です。 あわせて、ウイズタイムハウスのご近所に暮らす方との交流、いざという時に相談できる場づくりをしたく、 月1回のイベント開催をしています。 ★桜こみち株式会社 ウイズタイムハウスを拠点に、今秋、関連会社である「桜こみち株式会社」を立ち上げました。事業内容は大きく3つあります。 ◆旅行 : 介護が必要な人、障害のある人の旅行のお手伝い。 先駆的な取り組みをしている福祉施設の見学ツアー。 ◆老人ホーム探しのお手伝い : 質の高い老人ホームをご紹介、見学の付き添い、手続きのお手伝い ◆小規模団体支援 : NPO、ボランティア団体をはじめとした小規模団体のホームページ作成、 クラウドファンディングなどの資金調達のお手伝い 今まで私がやってきた活動で得たノウハウを活用しながら、「すべての人が今現在と将来に幸せを感じることのできる社会」 をめざした活動を、議員活動と両輪で取り組んでいきたいと考えています。 こうした取り組みの現場で見えてきた課題を社会的課題として整理し、政策提言にもつなげていきたいと思います。 企画についてはそのときどきでご案内いたしますので、ぜひ活動にご参加ください! ★駅でのレポート配布について かとうぎ桜子は、月に1回のペースで新しい区政レポートを作成しています。 視察など遠出をする場合などに間があくこともありますが基本的に1ヶ月で1めぐりするように、 おおむね以下のようなスケジュールで朝の通勤時間帯(7時〜8時30分頃)に配布しています。   ・毎週月曜日:大泉学園駅北口 (喫煙所の近く、駅正面のドトール前、グランエミオのビルの近く、 みずほ銀行の近くの4か所を順番に回っています。月曜日が祝日だったり、 月曜日に視察等があり都合がつかないときには曜日を変更する場合があります。) ・月2回、火曜日:大泉学園駅南口(1階ロータリーと2階デッキ) ・水曜または木曜のうち月3回:保谷駅北口と南口(北口正面、線路沿いの道、南口西友前) ・月3回、金曜日:石神井公園駅(中央改札側の正面、高架下、西口改札近く) ★かとうぎ桜子プロフィール ●1980年生まれ。現在、区議会議員4期目。 ●慶応義塾大学文学部に在学中、ホームヘルパー2級の資格を取得 ●大学卒業後、夜間の上智社会福祉専門学校に入学、社会福祉士取得 ●NPOで介護の仕事をする中で、地域福祉・地域社会にさらに深く幅広くかかわる必要性 を感じ、2007年区議会議員選挙に初挑戦、当選 ●公立保育園の民営化問題に疑問を感じ、区議の活動のかたわら立教大学大学院・21世紀 社会デザイン研究科にて研究。2010年修了 ●2012年、検診で子宮頸がんが見つかり治療。女性の健康へのとりくみの必要性についても 政策提言 ●2018年、地域の拠点・ウイズタイムハウスをオープン ●大泉学園町4丁目に猫3匹と夫と住んでいる